2025年度 ライフプランセミナーを開催しました
2025-09-20
長野市 長野ターミナル会館にて2025年度 県病院労組ライフプランセミナーを開催しました。
各支部より18名が参加しました。
【第一講座 最近の情勢と取り組み報告 阿部 本部書記長】
<概要>
この30年、日本は相対的に貧しくなったと指摘されています。
実質賃金や一人あたりGDPの国際比較では伸び悩みが続く一方、金融資産1億円以上を保有する富裕層は増加し
、貧富の格差が拡大しています。
大企業や資本家に有利な政策が長く続き、少子化対策も十分な効果を上げられませんでした。
さらに、庶民の政治参加が進まないことが、こうした状況を是正しにくくしているとも言われています。
バブル崩壊後の長期デフレも、日本経済の停滞に拍車をかけてきました。
近年では、ウクライナ戦争などを契機に資源価格が上昇し、物価高が進行しました。
これを「良いインフレ」へとつなげるため、賃上げの機運が社会全体で高まっています。
しかし医療は公定価格制度の下にあり、自由に価格を上げることができません。
結果として経営環境は厳しく、民間病院では医療従事者の賃金抑制が進み、
県立病院機構でも人事委員会勧告どおりの賃金改定が難しい場面が生じ、県職員との賃金格差が問題となっています。
私たちは診療報酬の適正な改定を求めていますが、診療報酬の引き上げは社会保険料や税負担の増加を伴うため、
財源確保という大きな課題があります。少子高齢化と人口減少が進むなか、
地域医療や国民皆保険制度の持続可能性はかつてない危機に直面しています。
昭和後期や平成初期のような体制をそのまま維持することは難しく、限られた人員と財源の中で、
持続可能な医療をいかに守るかが今まさに問われています。
<県病院労組が取り組んでいること> ※2025本部独自要求交渉は10月29日より開始
・県へ運営費負担金の増額を要請。その結果、2025年度は8億円増額されました。
・組織内国会議員を通じて、国へ強力な緊急支援や診療報酬改定を要請しています。
・日本の医療や介護について、国民皆保険制度について、社会保険の増額について多方面の方々
と議論しています。
・人口減少、人手不足によりこれ以上人員を増やすことが困難な状況です。人員増を要求する一
方で仕事を減らす取り組みも進めています。
【第ニ講座 賃金・控除・福利厚生 阿部 本部書記長】
機構の賃金、控除、福利厚生について、主な内容を説明しました。現在課題が多い内容についても触れ今年度の交渉の重要ポイントも説明しました。
【第三講座 ライフプランと保障設計~退職後を見据えた資産形成の考え方 自治労共済長野県支部 安土 様】
自治労長野県本部が実施している「生活・職場実態アンケート調査」の分析結果から、ライフプランと将来予測を考え、キャッシュフロー表を参考にして賢い保障の選び方を学びました。また、退職後の出口戦略ではWPP理論〈Work Longer(就労延長) Private Pensions(私的年金) Public Pensions(公的年金)〉が人生100年時代の年休時給戦略として紹介されました。私的年金では、じちろう共済の「長期共済」や「税制適格年金」を早いうちから掛け、随時払いを活用することで安全でお得に老後資金を増やせます。また、個人年金保険料控除の対象にもなります。
少人数での開催でしたが、参加者はとてもリラックスして聞いていました。
「組合の取り組みや資産形成についてとても参考になった。若い子にももっと聞いてもらいたい」と声が聞かれました。
意見交換や交流会では、日頃の職場の問題点など情報交換ができ、10月からの交渉にとても参考になりました。